作品集

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平成18年度静岡県高等学校総合文化祭書道部門
第52回静岡県高等学校書道展
受賞作品

個人の部

静岡県教育長賞

題「書アラカルト」

県立吉田高等学校 2年
植田 真季

まずはじめに、「静岡県教育長賞」という素晴らしい賞を頂いて、驚きと嬉しさでいっぱいです。この作品の6分野の制作で特に苦労したのは、漢字仮名交じり書と仮名書です。漢字仮名交じり書は、水墨画とともに経験が浅く大変時間がかかりました。仮名書では、今までになくたくさんの歌を書き、集中力を持続させるのが大変でした。思い通りにいかず涙したこともありましたが、河村先生からの手厚いご指導と、部員・友達や家族などからの温かい励ましでやっと完成させることができたのです。その上、最良の結果まで頂くことができて、先生はじめみんなには心から感謝しています。この素晴らしい経験を胸に、これからの生活に活かしていきたいです。

静岡県高等学校文化連盟会長賞

「子夜呉歌」

題「子夜呉歌」

県立浜北西高等学校 2年
小杉 明日香

文字と文字の組み合わせや墨量の変化を工夫して作品を作りました。
常に全体のバランスを考えながら何枚も書き込みました。
文字の形や配置・興誠など全て自分で考え友達と批評をしながら書き上げた作品のため苦労も多かった反面、楽しく書くことが出来ました。
この賞を受賞することが出来て、本当に嬉しかったです。
代々受け継がれている全国大会出品への目標を達成することが出来て良かったと思います。
これからも良い作品を作っていきたいです。

題「臨・楽毅論」

日本大学三島高等学校 2年
岩間 のどか

高校に入学して初めて大きな紙に細字を書きました。しかも黒い紙に金泥という組み合わせで、一字一字間違えないように、特徴をとらえて臨書するのは大変緊張しました。この作品を仕上げるために、勉強時間や睡眠時間を減らし何枚も頑張って書きました。
その結果、高文連会長賞を受賞することができ、しかも全国大会に行けると知った時には、「本当に自分が?!」と大変驚きました。努力した甲斐があり、本当に嬉しく思いました。
これからも、この賞を励みに頑張っていきたいと思います。

「臨・木簡」

題「臨・木簡」

浜松学芸高等学校 2年
平賀 志保

今回の作品制作では、波磔を作品のポイントと定め、全体構成の中でその位置や線質にこだわりました。ある程度の渇筆を入れながら筆を開いて太く書きたいのですが、なかなか思うに任せず、太く書けてもかすれが効果的でないと重くなり、かすれを出せても粗いかすれになってしまったり…。また、作品の締め切りが近づくと、今度は一字一字を丁寧に書こうとするあまり、「イキイキ」とした書きぶりからはほど遠くなってしまったり…。
出来るだけ体を使って、木簡自体が持っているリズムを意識して書くことに努めました。このやり方は作品を「イキイキ」とみせるだけではなく、私自身も楽しく書くことができる方法だったようで、とても楽しく書くことができました。

静岡県高等学校文化連盟書道専門部会長賞

題「臨・中国近代行草書小品十四種」

県立浜松北高等学校 2年
鈴木 翔子

今回、県書道専門部会長賞、そして全国大会への出場権を頂くことができ、本当に嬉しく思います。
改めて振り返ってみると、作品を完成させるまでには多くの苦労がありました。まず第一に、私は細筆を使った作品を書いたことがなかったのです。よりよい書き方を追究するには時間がかかりました。
また、今回の作品では十四人の行草書家の臨書に挑戦しましたが、自分一人の手で十四人の書を表現するのは非常に大変でした。どう頑張っても全部同じような字になってしまうのです。何度も投げ出したくなりましたが、最後まで仕上げることが出来たのはやはり多くの方々の支えがあったからだと思います。
このような結果を残すことができたのは、私一人の力ではありません。時には厳しく指導してくださった中村先生、目標となってくださった先輩方、良い刺激を与えてくれた部員の皆、全ての人に感謝し、今後も向上心を忘れずに部活動に取り組みたいです

題「臨・龍門造像五種」

沼津市立沼津高等学校 2年
横山 葵

私は1年生の頃から造像記の書体が好きで、全臨に挑戦しました。また先生と相談して、どうせなら原寸大で、石碑の形や大きさにもこだわって色々な種類のものをやることになりました。また、墨以外のもので書くのも初めてで、戸惑うことも沢山ありましたが、何とか書き上げることができました。
集中して書かなければいけない作品で、精神的にとても負担がかかりましたが、励まし、元気づけてくれた人達がいたからこそこの作品を仕上げることが出来たのだと思います。とても感謝しています。この作品を作るにあたって、感謝する気持ちをあらためて知ることが出来ました。「この作品に挑戦して良かった」と心の底から思います。

題「臨・一条摂政集」

城南静岡高等学校 1年
鈴木 愛未

初めての大会で個人部門に出品することに不安を感じることばかりでしたが、入学してから仮名の勉強を始め仮名作品を書いてみたいという気迫は充分ありました。今回書いた仮名は四月から勉強し始めたばかりの為、難しいところがたくさんあり、なかなかうまく書くことができませんでした。特に難しかったことが墨つぎと反動の筆使いがたいへんでした。お手本のようなかすれなどを出すためには、どこで墨つぎをすればいいのかわからずお手本に近づこうと苦労しました。大きさも自分よりずっと大きな作品のためすごい量の仮名を学校でも家でも練習を重ねました。最初から最後まで一回書くと筆はもう使えなくなってしまうので完成させるまでには何本もの筆を使ったことも驚きでした。たくさんの練習をしていくうちにはとても書きやすく感じるようになり時間を全然気にせずどんどん書いていけるようになりました。でも作品を完成させられたのは熱心に指導し協力してくれた先生のおかげだと思います。作品を完成するうえで私は平安時代の人々の「小さきものは美しい」という美意識を常に頭において書くよう努力しました。「一条摂政集」は恋の歌だと聞きましたが内容がはっきりとわからないので次に書く時は少しでも理解できたらいいと思います。
大会で展示されている作品にはすばらしいものがたくさんあり私のものとは違う書体の作品も鑑賞できて勉強になりました。その中で自分の作品が全国大会に出品できることはとても嬉しいことです。全国大会では今回よりも練習し、さらにいいものを書きたいと思います。

題「臨・本阿弥切」

浜松市立高等学校 2年
大石 晴香

私は、今までに仮名を深く勉強したことがなかったので、この機会に本阿弥切の全臨を試みました。
完成までの約二ヶ月、学校行事や塾通いなど、両立させるのが大変で、少しの時間も無駄にしないよう、家に持って帰って書いたりもしました。
八段の配置や仮名の料紙の配色、仮名独特の流麗な雰囲気、特にこの古筆の持つたたみかけるような連綿は難しく、何度も練習しました。
そして最後まで集中して書けたのは、「仮名が好きだ」ということもあると思います。
入賞できて、頑張った甲斐があったと、とても嬉しく思っています。この受賞がこれから書を習っていく中で励みになっていけばいいなぁと思います。

題「臨・賀知章『孝経』」

浜松学芸高等学校 2年
伊藤 明日香

私は先輩が行書の細字作品を書いているのをみて、その先輩のように書いてみたいという思いを抱きました。その思いから今回のような作品を書こうと思ったのですが、苦労の連続でした。
まず、私には集中力があまりありません。また、細字で作品を制作したことがなかったので、小筆の選択から小筆の取り扱いに慣れるまでが大変で、古典の特徴である穂先を一筋だけ残して書くような連綿腺や起筆、終筆に細心の注意を払いました。枚数を重ねて行くにつれ、集中して書くことができている自分に気づき、次第に細字を書く楽しさを感じることができるようになり書くことを楽しんでいる自分がそこにいました。
最終的には、自分自身が成長でき、自分も納得のいく作品に仕上げることができました。指導してくださった先生方のおかげと感謝しています。

団体の部

静岡県高等学校文化連盟会長賞

題「瓦當からのメッセージ」

県立吉田高等学校書道部員による共同作品

2年 市川紗都美・河原崎志保
1年 鶴賀  望・櫻井 由賀・髙塚 愛美・寺田 歩未 他

私たちの作品が最高賞だと知った時のことは、余りの驚きでよく覚えていません。でも、涙が止まらなかったことは覚えています。全員が感激しました。思えば、この作品制作は苦労が絶えませんでした。構想練りの段階から、メンバーの気持ちが高まらず時間ばかりが過ぎてしまい、河村先生から渇を入れられやっとの思いで完成したのが搬入日前々日、そうして表装へ・・・。会場で完成品を見るまで不安でいっぱいでした。それだけに受賞の喜びは一入だったのです。この喜びは、先生はじめ多くの方から頂いたご尽力のお陰です。そして、互いに励まし合い制作したこの「瓦當からのメッセージ」は、私たちにとって一生の宝物となりました。本当にありがとうございました。

城南静岡高等学校書道部員による共同作品

杉本 大輔・齋藤 真琳・望月 麻衣

高校に入学し、書道部に入部して、四月から「仮名文字」の勉強に入りました。単体と連綿の勉強のくり返しを充分、いやになる位やりました。現在使われている文字を書く習字とは違い、仮名作品には、文字に濃淡があり、連綿という筆の動きがあったりと、初めてのことばかりでした。作品を書くなら、しっかりとした作品を制作したかったので、分からない文字があったら字典をひいたり、先生に聞いたりして、練習に練習を重ね、完成させました。
今回書いた百人一首は、一枚の紙がとても小さく、文字の配置、文字の濃淡など、全体のバランスなど考えながら書くのが大変でした。
私達は団体部門で出品させて頂きましたが、三人で一つの大きな作品を書き上げ、大きな達成感とともに、一人一人の集中力を高め、書道部の団結力をつけることが出来ました。この経験をいかし、来年の県総文祭でも、今回頂いた素晴らしい賞をまた受賞出来るよう毎日努力していきたいと思いますとともに、日本の書道文化を大切にしていきたいと思います。
ありがとうございました。

題「有言実行」

県立浜松北高等学校書道部員による共同作品

2年 小野間麻実・鈴木  華・松下侑里香・大石  愛・栗田紗裕美・小林 杏菜
   鈴木 翔子・早川 由梨・山田 紗希・鈴木 佑未
1年 名倉 悠真・藤田  愛・嶋 ゆりか・伊澤 昂汰・渥美 国久・橋爪 裕紀
   田中 美都・中野 佑香・糸永美津子・川口 愛子・袴田華菜子・川合ひろみ
   木村紗央里・藤森 崇浩・村松明寿香・秋鹿 佳恭・野村麻沙子・石原 愛海
   大城 安那

この作品の主題「有言実行」は、言ったことは実行するという意の「有言実行」に由来します。「言う」のではなく「書く」ことで、自分の現在持っている志を忘れることがないよう、また、その志が小となって終わらないよう、「凧」や「扇」に委ね、大空高く舞い上がってほしいという願いからこの姿に落ち着きました。部全体としての目標、「麗澤」とともに、高校生の目標をご覧下さい。