作品集
平成29年度静岡県高等学校総合文化祭書道部門
第63回静岡県高等学校書道展
受賞作品
個人の部
静岡県教育長賞
静岡県高等学校文化連盟会長賞
題「臨 針切」
浜松学芸高校 2年
山下 優月
針切は、その名の示す通り、針のようにキレのある線が特徴です。キレのある線を出すには、速度や筆の角度、摩擦の取り方が大切ですが、書き始めた頃は、その全体的リズムをつかむことが出来ず、苦労しました。しかし、書き込んでいくうちに、上から下に美しく行が流れることも意識し、次第に針切らしくなっていったと感じています。今回の制作では、これまでにない練習量をこなしてきました。少しでも思い通りに書き上げることが出来るのか、不安もありましたが、作品が完成した時には大きな達成感を味わうことが出来ました。この制作を通して、自分が成長できたように感じています。
題「臨 木簡」
静岡県立沼津西高校 2年
外山 祐羽
今回、静岡県高等学校文化連盟会長賞という素晴らしい賞を頂き大変嬉しく思います。木簡独特のリズムや線質に魅了されて学び始めましたが、その線を習得するのはとても難しく頭を悩ませる毎日でした。しかし、運筆の速度や肥痩の差に気を配る事で少しずつ木簡特有の趣きが表現できるようになりました。この受賞を励みとしながら、全国大会に向けてさらに書き込みをして、より完成度の高い作品にしていきたいです。
静岡県高等学校文化連盟書道専門部会長賞
題「龍翔鳳舞」
沼津市立沼津高校 2年
小林 未優
この度は静岡県高等学校文化連盟会長賞に選んでいただきありがとうございます。本当に嬉しく思います。
私は今回、造像記を基盤とした漢字仮名交じりの創作作品を書きました。創作という分野で身体全体を使って伸びやかに表現する事がとても楽しかったです。
このような賞をいただけたのは顧問の先生、そして高め合っていける書道部員の皆が居てくれたからこそです。」
題「臨 開通褒斜道刻石」
静岡県立浜名高校 2年
佐藤 和夏奈
この度は、静岡県高等学校文化連盟書道専門部会長賞をいただき大変嬉しく思っています。私は、今回初めて大きな作品に挑戦しました。「開通褒斜道刻石」の臨書をする際には、文字と文字がからむように意識をし、一字一字の大きさに気を付けて書きました。かすれを活かして墨量の変化が分かるように工夫して作品に仕上げました。先生からのアドバイスを参考にして、のびのびと文字を書くことができました。この経験を活かし、さらに大きな作品に挑戦していきたいと思っています。
題「臨 王鐸」
静岡県立富士高校 2年
石川 詩苑
私はこの作品の中で、王鐸の書の力強さを表現したいと思い、全体的にダイナミックに仕上げました。また躍動感のある線や墨の潤渇を出すために体全体を使って書くことに気をつけました。連綿に苦戦しましたが、文字から文字へ気持ちを切らさずに書くことよって納得のいく作品になりました。
特選
題「臨 張猛龍碑」
星陸高校 2年
大勝 明日香
題「臨 爨宝子碑」
静岡県立沼津西高校 2年
坂本 なつみ
この度は栄えある特選を頂き誠にありがとうございました。目指していた結果とは異なりましたが、会場へ行き、自分の作品を他の人の作品と見比べ、学ぶことがたくさんありました。自分には何が足りないのか、どんなところを直せばさらに質の高い作品ができるのか、実際の作品を目にして実感することが出来たことは悔しさ以上に私の貴重な経験となりました。今後、ここで学んだことを生かしながら更に上を目指していきたいと思います。
題「臨 鮮于璜碑」
浜松日体高校 2年
大城 陽子
私がこの作品を選んだきっかけは、祖母が隷書を好んでいたことや、私自身強くてまっすぐな字が好きだったことです。実際に書いてみたところ、最初の筆の入り方や波磔の形が楷書と違っていて難しく、また字数も今まで書いてきた作品よりはるかに多いため、一つでも間違えたらはじめから書き直さなければならず、本当に大変でした。それでも先生方にいろいろとアドバイスをいただいたり、友人の助けを得たりして、今回の作品を仕上げることができました。心から感謝しています。
題「臨 曹全碑」
浜松学院高校 2年
鈴木 唯
今回は『曹全碑』の臨書をしました。多字数で文字を小さく書くことに慣れていなかったため、特にこの古典の特徴である文字それぞれの波磔を書くところに苦労しました。また、一字一字として見た場合はよくても、全体を見た場合にも他とのバランスが乱れることなく書いていくことに苦労しました。
このような大作は初めてで、最後まで仕上げるのに多くの時間がかかり大変でしたがよい経験になりました。
題「王維の詩」
静岡県立浜松湖南高校 2年
寺岡 侑里奈
こんな大きな紙に書くことも、こんなに多くの文字を書くのもこれが初めてでした。
お手本を受け取った時は自分に書けるか不安だったけれど、講師の先生の指導、友達の支えがこの作品にとても繋がっています。
一枚完成させることに二時間半以上もかかって、集中力の維持が大切でした。細い線が苦手でしたが、乗り越えて上達出来たと思います。
楽しく最後まで書ききれることが出来、それが結果に繋がって良かったです。
団体の部
静岡県高等学校文化連盟会長賞
城南静岡高校
源氏物語54帖の中からみんなで適宣に抜粋、そして各帖をモチーフとした短歌を組み合わせ絵も加えたハーモニーの作品仕立としました。厖大な時間と練習量を費やしました。構成、配置、配色などにもずいぶん時間をかけて試行錯誤しました。文字の練習はもとより日頃から部活の宿題で家でもがんばりました。書いた半紙の量は1年生は1箱くらいです。仮名を習い始めた1年生は努力の一言です。源氏物語は一見華麗な平安王朝絵巻のように思えますがひとの生き方や恋人の哀れや儚さをも作者である紫式部が自らの境遇と照らし合わせながら様々な植物に思い入れたものもあり、「竹河」の帖の中にある藤の花は松よりもすばらしくこの世のものとは思えないほど美しさがある。「手にかくる 物にしあらば 藤の花 松よりこゆる色を見ましや」として「藤壺」や「紫の上」のような佳麗な人物に対応させているところを読みながら源氏物語をより書道で表現できるよう工夫を重ね部員14人の団結力の結集の作となりました。3ヶ月の特訓の終り頃筆に運びが思うようになり先生から「上手に書ける様になりましたね。」と言われました。来年はもっと書けるように勉強して今年よりも気を引き締めて挑みたいと思います。
県立沼津西高校
この度は、栄えある賞をいただき、部員一同大変嬉しく思っています。今年、私たち書道部は三十人という大人数で力を合わせてこの作品を制作しました。上手くいかないことも多くありましたが、「書の世界三づくし」というテーマのもと、一人ひとりが古典と向き合いながら、レベルの高い作品を目指してきました。この作品制作を通して学んだことを胸に、これからも互いに切磋琢磨しながら、大好きな書に邁進していきたいです。
県立浜名高校
この度は、静岡県高等学校文化連盟会長賞をいただき、部員一同大変喜んでいます。
一年前に会場で他校の作品を見た時、来年こそは団体で賞を取りたいと、一致団結して作品制作に取り組みました。
私たちは25名で百人一首を書きました。一人が3~5首の歌を、短冊やはがき・豆色紙に仕上げました。仮名作品をはじめて書く部員も多く、筆や用具の使い方から学びました。平仮名で全文書いた後、変体仮名を入れながら一人一人が構成を工夫して作品に仕上げました。今後は、部員全員で百人一首を書き上げたことを、個人の作品に活かして作品作りに取り組んでいきたいと思います。
静岡県高等学校文化連盟書道専門部会長賞
静岡県立浜北西高校
私たち浜北西高校書道部は、部員17人で「頂」をテーマに制作しました。頂というのは、「夢を叶えること」ととらえ、「輝」「願」「夢」「叶」の4字に関することばを選び表現しました。刻字は、初めて陽刻にも挑戦し、より立体感が出るように心がけました。そのほかは扇面に統一して書き上げ、まとまりのある作品を目指しました。夢を追いかける人への思いを込めてこの作品を作り上げました。
このたびは、このような賞をいただき感謝しています。
静岡県立浜松北高校
本校では王鐸を学ぶ部員が沢山います。そこで今年のテーマは「王鐸」と決め臨書だけでなく創作においても王鐸の特徴をとらえた団体作品にしようと考えました。構成面では用紙の質感・色や形・配置等それぞれの個性が生きるようにしながら一体感のある作品になるよう工夫しました。
1年生にとって初作品となりました。先輩達には用具に始まり筆法等の技術面まで色々と指導して頂きました。結果、一字一字が大胆で存在感のある王鐸の特徴を捉えることができたと感謝しています。受賞有難うございます。
浜松市立高校
このたびは高文連書道専門部会長賞に選んでいただきありがとうございました。 私たちは、2年生23名で「春夏秋冬」をテーマにこの作品を制作しました。作品全体を通して四季の移ろいを感じていただけるよう、語句を選び、書体や書風を工夫して表現しました。アクリルの板に絵の具を使って書いた作品は、透明感や現代的な雰囲気を演出し、その他の作品も、紙の色や形を工夫することで全体に変化や立体感を加えました。余白には四季折々の図柄の切り絵を装飾し、華やかな作品に仕上げました。
静岡県立浜松南高校
私たちは、主題として日本文化を挙げ、中でも人間に近い存在である妖怪をテーマにしました。そして、「百鬼夜行」をイメージして作品中央に道を作り、妖怪を自然と結びつけて表現しました。恐ろしい妖怪にも人を良い方向へと導いてくれる一面もあることを、「畏」と「福」の対比で表しました。何度も話し合って完成した作品なので賞をいただくことができて本当にうれしく思います。これを自信に、部全体でレベルアップできるよう日々努力していきます。