作品集

戻る

平成30年度静岡県高等学校総合文化祭書道部門
第64回静岡県高等学校書道展
受賞作品

個人の部

静岡県教育委員会教育長賞

題「臨 楊峴臨古四種巻」

浜松学芸高校 2年
千葉 美由紀

私はこの作品の中で、線質や字形構造をとらえることはもちろん、気脈をもって打ち分けている点の書き方や、文字内部の余白部分を強く意識しました。約600文字の一画一画に集中して書き進めましたが、限られた時間の中、納得のいく作品を仕上げるのはとても難しいことでした。書くことが辛いと感じることもありましたが、あきらめない制作態度を続けてよかったと思います。

静岡県高等学校文化連盟会長賞

「臨 始平公造像記」

題「臨 始平公造像記」

沼津市立沼津高校 2年
杉山 沙蘭

この度はこのような賞に選んでいただき光栄です。
造像記は1年生のころから好きで、作品制作のたびにチャレンジしてきました。
今回、個人で学校の代表として全国大会につながる作品を書くことになり、やはり自分がやってきた造像記を力いっぱい表現したいと思い、始平公造像記を題材に選びました。力強く気持ちを切らさず集中して取り組むことができました。

題「臨 光明皇后楽毅論」

静岡県立沼津西高校 2年
渡邉 彰子

この度は、「県高文連会長賞」をいただき大変うれしく思っています。作品制作にあたり、天平筆の持つ強く肥痩の変化に富んだ線をどのように表現するかとても悩みました。一定のリズムを保って書くこと、筆先がどのくらい紙面に触れているか感じ取りながら書くことを意識することで、古典の特徴に迫ることができたと思います。まだまだ未熟な部分が多いので、これからも試行錯誤を続けて理想の作品に近づけていきたいと思います。

「臨 金農隷書雑書」

題「臨 金農隷書雑書」

浜松学芸高校 2年
飯島 知咲

約2か月の製作期間の中、どれだけ納得のいく作品にできるかが私にとっての課題でした。一枚仕上げるのに10時間もかかる作品は初めてで、制作に慣れるまでに時間がかかりました。次第に自分で良し悪しがわかるようになり、このままではダメだと思うようになりましたが、なかなか上手くいかず、苦闘する毎日でした。苦労した分、今回の受賞結果を知ったとき、喜びと悔しさがあり、素直に喜ぶことはできませんでした。しかし、最後はやりきったと思える作品だったとも思え、次に繋げることができたと思います。

静岡県高等学校文化連盟書道専門部会長賞

題「臨 粘葉本和漢朗詠集」

静岡県立沼津西高校 2年
塩原 瑠捺

この度は「県高文連書道専門部会長賞」という大変名誉な賞をいただき、ありがとうございます。私はこの作品を書くにあたって、漢詩、漢文、和歌の三つをどのように表現して調和させていくか、とても悩み試行錯誤を繰り返しました。
頭では分かっていても、うまく作品に反映できないことがあり、挫けそうになることもありましたが、最後に良い作品を仕上げることができて良かったです。全国でも仮名の一番を目指して頑張ります。

「王鐸倣書」

題「王鐸倣書」

浜松北高校 2年
鈴木 杏理

私は一年生のときから王鐸の作品を臨書してきました。力強く潤渇の変化がありながらも、一つの作品として統一感のある書に感動したからです。今回は三つの漢詩を王鐸の倣書で表現することに挑戦しました。今まで学んできた王鐸の特徴を出しながらも、自分風に表現することが難しく、試行錯誤しました。一つ目の詩では墨量の変化を意識することで迫力を出し、二、三つ目の詩では筆先を使い繊細さを出すことを心がけました。

題「富嶽百景」

静岡県立伊東高校 2年
小野 心明

私は、太宰治の『富嶽百景』を読み、月見草の小さくも自分らしさを強く持つ姿に魅力を感じ、題材に選びました。制作の際には、月見草のように自分らしく自信をもって取り組みたいと考え、手本を見ずに自ら考えて書きました。特に構成は、大きく堂々とした富士と、それに立派に対峙する月見草を表現できるよう工夫しました。この作品は、先生や家族をはじめ、身近な方々の支えもあり完成させることができたと実感しています。ありがとうございました。

特選

「臨 木簡三種」

題「臨 木簡三種」

静岡県立浜北西高校 2年
大橋 由奈

私は今回の作品を作るまで「西狭頌」や「曹全碑」などの漢隷の古典を臨書することが多くありました。そこで隷書体を練習することで備わってきた技能を活かせてかつ、大作をつくるのに適していそうな古典を探したところ、今回の作品である「木簡」に辿り着きました。
また臨書の枠に囚われないような個性あふれる作品にしたいと思い、三種を抜き出しました。一枚の紙に収めつつも淡墨を使って木片の影の雰囲気を作り出しました。
こうして評価していただき、受賞できたことをうれしく思います。

「鱗」

題「鱗」

静岡県立浜松南高校 2年
森嶋 ゆか

このたびは、特選という賞をいただき大変嬉しく思っています。この「鱗」という作品は、本当の自分を見せるのが怖くて身にまとった鱗を脱ぎ捨てたいという気持ちで書きました。私にとって初めての創作作品で、自分の気持ちをどのような言葉で表そうか、試行錯誤しました。大字の「鱗」は動きのある字形を工夫し、繊細且つ力強い字になるよう意識して書きました。全国大会に出場させていただくことは、自分にとって大きなチャンスだと思います。今後もこれまで以上に、書に邁進していこうと思います。

「臨 賀蘭汗造像記」

題「臨 賀蘭汗造像記」

静岡県立吉原高校 2年
関原 理子

私は、賀蘭汗造像記の力強い書体に心惹かれ、臨書に挑戦することに決めました。起筆や収筆の力加減や運筆の速度に気を配り、精一杯努力を重ねてきました。鋭い線や渇筆が出せず苦戦した時もありましたが、字形の特徴を捉えながら、文字の大小を出し、迫力ある作品に仕上げることができ、嬉しかったです。周囲への感謝の気持ちを忘れず、この賞を励みに今後も人の心を動かすことができる作品を制作していきたいです。

「臨 何紹基」

題「臨 何紹基」

静岡県立富士高校 2年
石垣 綾夏

何紹基は清代を代表する書家です。初めて何紹基の作品を見て、独特な世界観に魅力を感じ書いてみたいと思いました。一番苦労した所は白をきれいに見せるために文字の配置などの空間の取り方、そして墨の潤渇を用いることです。またゆれるような線質を書くことも難しかったと思います。最終的には満足のいく作品に仕上げられて嬉しく思います。これからはこの経験を生かし、さまざまな作品に取り組んでいきたいと思います。

「臨 開通褒余道刻石」

題「臨 開通褒余道刻石」

県立浜松南高校 2年
吉田 規人

「開通褒余道刻石」という古隷は、よく目にする隷書とは異なり、整然としていない点が特徴であり、私には大きな魅力に感じました。この特徴を表現した作品にするために、見た目の大胆さだけでなく、全二十一文字の一画一画に線の肥痩や潤渇など、細かな点まで意識し書き上げました。今回、特選という評価をして頂いた事を大変嬉しく思っています。毎日ご指導頂いている顧問の先生には感謝の気持ちで一杯です。これを励みとし、私自身がより成長できるよう努力し続けていきたいと思います。

題「臨 中務集」

城南静岡高校 2年
原田 侑美

今回で二回のA枠では昨年とは違う仮名文字に挑戦しました。漢字とは違い筆をゆるやかに下ろしていくのが一番難しかったです。途中で墨が薄くなったり線が切れたりなど一つ一つの動きに注意しながら書くのがとても多かったです。一つ一つの動きに注意し考えて出来た作品なのでとても嬉しかったです。この喜びの気持ちを大切にこれからの作品に役立てていこうと思います。ありがとうございました。

団体の部

静岡県高等学校文化連盟会長賞

県立浜北西高校

静岡県立浜北西高校

わたしたちは、1・2年生合わせた部員数が12人です。そこで思いついたのが星座でした。星座には誰にでも守護するところがあります。鑑賞する方には、自分の星座の意味を探しながら楽しんでもらえるよう工夫しました。
構成は、紙の大きさや形を変えながらも左右対称を意識し、筆だけでなく篆刻や刻字も入れて色々な表現を試みました。背景は、地上と星空をイメージして三色に構成し、星座の雰囲気を大切にしました。

県立沼津西高校

静岡県立沼津西高校

今回私たちは「書の極」をテーマに制作しました。自分たちなりに用筆法を追究し、紙の形や色を何度も検証することで、古典の世界観に迫れるよう工夫しました。制作過程で意見の衝突もありましたが、話合いを繰り返すことで最後は全員が同じ方向を向いて団結することができました。制作を通して新たな課題も見つかったので、今回の結果に満足せず、部員一同さらに書に向き合って邁進していきたいと思います。

城南静岡高校

昨年に引き続き県高校文化連盟会長賞を受賞することができ、とても嬉しく思います。今年は部員数が少なく仕上げるのにとても時間がかかりました。初め百筆書き上げる案に決まった時はとても驚きましたが、民謡を聞きながら書く、地方のことを思いながら書く楽しさがありみんなで書き上げて又紙もそれぞれの地方に合う紙を探して書く工夫も又楽しく制作することが出来ました。このように部員全員そして深澤先生の指導によりこの賞を頂けて大変嬉しく思います。今回の経験を生かしまた来年、賞を頂けるように部員全員一丸となって頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

静岡県高等学校文化連盟書道専門部会長賞

県立浜松南高校

静岡県立浜松南高校

この賞を受賞することができ、大変嬉しく思います。ありがとうございます。作品のテーマは、部員で意見を出し合い、中国史の中でも有名かつ勇猛であった項羽と劉邦が対立した戦い、「楚漢争覇」としました。対立している様子が分かりやすいように、作品の左右で背景の色を変え、二人の性格を表す漢字や漢文で有名な部分を、様々な書体で書き、見ていて飽きない作品に仕上げました。私たちの作品から、壮大な歴史の一部分を感じていただけたら嬉しいです。

浜松市立高校

浜松市立高校

私たち浜松市立高校書道部は「鏡花水月」をテーマに制作しました。「鏡花水月」とは、目に見えていてもつかむことのできない儚いもののたとえです。作品の中には鏡に映る華や、水面に映る満月を工夫して表現しました。また、日常の中で感じても簡単に口にすることができない感情を和歌や名言などに乗せて散りばめました。
観る人が飽きない、書道に関心を持ってもらえるようなインパクトのある作品にするために立体感のある作品にしました。制作時間はかかりましたが、部員全員で満足できる作品を作ることができてよかったです。

沼津市立沼津高校

沼津市立沼津高校

昨年度、受賞を逃し、悔しい思いをしたので受賞を聞いたとき本当にうれしく思いました。
今回の作品を通して、臨書は古典をどのように受け止めてどのように習って、表現するのかを学んだように思います。今後も同じ作品であってもまた違った臨書作品が書けるようにしていきたいです。

県立浜松北高校

静岡県立浜松北高校

今回の作品作りは部活動で中國書史を学ぶことから始まりました。各時代からバランスよく古典作品を選び、部員それぞれが得意としている書体を分担して臨書しました。各作品の特徴を表現できるよう練習を重ね、筆遣いや線質、太細の変化、字形などを意識して仕上げました。作品は右から左へ、上中下の三段に分けて変遷がわかるように展示しました。それぞれの作品で個性がありつつも、全体が一つの作品として、まとまりのあるものになったと思います。

静岡県立榛原高校

私たちの団体作品のテーマは「古筆繚乱」です。今回の団体作品は部員一人ひとりが違う古典を手本として選び、作品を書きました。様々な種類の古典が入り乱れ調和していることがテーマの由来となっています。今回、県高校文化連盟書道専門部会長賞を受賞できたことを大変嬉しく思います。同時に、日ごろの部活動で御指導くださっている講師の先生や、顧問の先生方のおかげだと思っています。最後になりますが、講師の先生や顧問の先生、審査してくださった先生方に感謝申し上げます。