作品集
令和元年度静岡県高等学校総合文化祭書道部門
第65回静岡県高等学校書道展
受賞作品
個人の部
静岡県教育委員会教育長賞
静岡県高等学校文化連盟会長賞
題「臨 針切」
浜松学芸高校 2年
増田 海音
私はこの作品を書く時に、筆の弾力を生かすことを追求しました。なぜなら、筆の上下動をおこなう圧力の変化による太い線、細い線の展開が爽快なリズムの表現につながると考えたからです。半年間「針切」を研究し、少しずつ自分の理想に近づいてきました。今回はこのような賞をいただくことができて大変うれしく思います。今まで支えてくださった方々へ感謝の気持ちを大切にし、さらに練習を重ねていきたいと思います。
題「臨 香紙切」
県立沼津西高等学校 1年
金剌 萌菜
この度は「静岡県高等学校文化連盟会長賞」をいただき、大変ありがとうございました。
私が臨書した「香紙切」は、「麗花集」を小大君が書いた古筆切れで、細くしなやかな線を基調とし、大胆で自由奔放な連綿が特徴です。微妙な行の絡みや伸びやかな点画を表現することは大変難しかったですが、集中を切らさず書き上げることができました。
この古典と出会って仮名の魅力、すばらしさに魅了されてしまいました。その感動をエネルギーに更に良い仮名を書いていきたいと思います。
静岡県高等学校文化連盟書道専門部会長賞
題「臨 王鐸」
県立富士高校 2年
藤原 桃子
この度は、このような素晴らしい賞を頂き、ありがとうございました。
王鐸は、気迫充実とした風格と、強靭な線と奔放な結体が特徴です。
今回の作品制作にあたり、一文字を華美にするのではなく、全体の統一感を意識しました。
渇筆と潤筆のバランス、文字の強弱の配置、剛柔の表現に気を付け、体全体を使って書きました。
今回の経験を生かし充実した文字を書き、さらに作品全体の完成度と表現力を高めるよう、今後も練習を重ねていきたいと思います。
題「臨 開通褒斜道刻石」
県立浜名高等学校 2年
黒栁 ふみね
私はこの作品を書く時に、線のかすれや強弱、文字の大小を意識して作品制作に取り組みました。横に並ぶ文字とのバランスを考えたり、縦に並ぶ文字とのバランスを考えたりしてまとめました。また、墨量の多い所や少ない所を作り遠近感を表現しました。一枚を書ききるのに時間がかかり、集中力を持続させることにとても苦労しました。
しかし、全国大会に出品することを目標に何枚も書き込みました。そしてこのような賞をいただき、全国大会に出ることが決まり、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
特選
題「臨 雁塔聖教序」
浜松市立高校 2年
金原 葉奈
今回は、このような賞をいただくことができてとてもうれしく思います。
私は雁塔聖教序の細い点画でありながら迫力のある書風に心を惹かれて挑戦しようと思いました。実際に臨書をしてみると、自分の思うような線が書けなかったり、バランスをとるのが難しいと感じることが多々ありました。
しかし、先生のご指導の下で自分の納得のいく作品に近づけたので良かったです。
今回賞をいただいたことを自信にし、これからも努力していきたいと思います。
題「臨 木簡」
沼津市立沼津高校 2年
中村 梨乃
一年生の夏に全紙に木簡を初めて書いて以来、木簡の書を好きになりました。今回、3×8尺に書くにあたり文字の配置や大きさ、墨量を工夫し迫力がありつつ潤いがあり整然とした作品に仕上げました。これまで書いてきた作品の中で一番納得ができる仕上がりとなり、その作品がこのような賞をいただくことが出来てうれしく思います。
題「雨ニモマケズ」
県立御殿場高校 2年
武藤 優季
私が、昔から馴染みのある「雨ニモマケズ」という詩を書きました。この詩は「雨ニモマケズ風ニモマケズ」という力強いフレーズから始まります。雨にも風にも負けないで、人生をがむしゃらに生きていくぞという思いが伝わるように作品を練習してきました。誰にだって悲しい事、辛い事は必ずあります。だけど、下ばかり向いている暇はありません。どんな事にも負けずに自分の人生をより強く生きていかなければ、前に進めないのです。このような力強いフレーズや作品の思いをより伝えられるように造像記で書きました。
題「臨 中務集」
城南静岡高等学校 2年
鈴木 夕貴
私は中務集の臨書学習を始め、2年になります。自由で明るく美しい魅力に惹かれました。墨色には気を配って書きました。簡略化された字体を流れるように組み合わせている特徴が書けるよう、書き切りました。特に題名の『なかつかさがしふ』の部分は苦労しました。ですが、先生のご指導のおかげで自分の納得する字が書くことができました。これからも努力を忘れずに自分が納得する作品を作っていきたいです。
題「臨光明皇后楽毅論」
県立浜名高等学校 2年
尾崎 由依
私は、筆の使い方や全体のバランスのとりかたに注意してこの作品を臨書しました。最初にこの楽毅論を見た時、線の太さに変化が多い作品だと思いました。繊細な細い線と力強い太い線の使いわけがしっかりとできるように何度も練習をしました。納得のいくまで先生に批評してもらったり、自分で古典と自分の文字を見比べたりして改善していきました。集中し時間をかけて書き込むことができたので、この楽毅論を書いたことは私にとってよい経験になりました。
団体の部
静岡県高等学校文化連盟会長賞
浜松市立高校
今回は、このような素晴らしい賞をいただきありがとうございます。
私たちは半年前から二年生全員で一から制作に取り組んできました。対比というテーマは抽象的なので、一人ひとりのイメージの違いから衝突することもありましたが、最終的に全員が納得のいく作品にできました。一人ひとりに字の個性がありますが、構成での対比を見た人に感じていただきたかったので、個性を抑えつつ構成を引き立たせるという団体作品にしかできないことに挑戦しました。そんな私たちの意図を汲み取っていただけたら嬉しいです。
静岡県立沼津西高等学校
今回私たちは「『日本の書の流れ』を一望できる作品」をコンセプトに制作しました。日本書道史上で注目される重要作品を全員で選び出し、それぞれが興味を持つ古典、古筆を臨書制作しました。とにかく忠実に書くことを心掛け、その書の良さが伝わるよう何回も練習を重ねました。また、銅鏡や鉄剣銘はその特徴が分かるよう立体的に複製してみました。
今回その成果を評価いただきこのようなすばらしい賞を受賞できたこと、大変嬉しく思います。今後も感動を与えられるような作品づくりを心掛けていきます。
静岡県高等学校文化連盟書道専門部会長賞
桐陽高等学校
私たちは【十二支の干支物語】というタイトルで団体作品を制作しました。作品を完成させるにあたり工夫したことがあります。
一つ目は墨絵です。今回初めて墨絵に挑戦をし、部員全員とどんな姿の絵がいいのか等相談をしあいながら完成させました。全員で協力したおかげで納得のいく絵を完成させることができました。二つ目は表装です。干支を題材にした作品ですので和風らしさを出すべく、折り紙を使い、配置にも気を付けて表装をしました。おかげで納得のいく作品が出来たと思っています。
この度は、このような素敵な賞を頂きありがとうございました。
静岡県立富士高校
この度は、このような素晴らしい賞を頂きありがとうございます。
私たちは、「日本の偉大な女性」をテーマに作品制作に取り組みました。
それぞれの人物の性格や実績、時代背景などを詳しく調べ、それに合わせて書体や雰囲気を考えました。
また、筆の弾力を使って強弱をつけたり、文字の大きさを変化させることを、意識して仕上げました。
今回の作品制作にあったって身につけた技術を、他の作品制作にも生かしていきたいと思います。
城南静岡高等学校
静岡県高等学校文化連盟書道専門会長賞受賞することができ大変嬉しく思います。今年は誰もが知っている奥の細道を書きました。雰囲気を作るために草木染めの料紙とわらじ、絵を使い芭蕉の旅を表現しました。その時間を忘れることなく、芭蕉が旅してきた素晴らしい記憶を俳句で残したように奥の細道を書いた時間は人生残る大切な記憶にしたいです。先生の指導によりこの賞をいただいて大変嬉しく思います。今回の経験を生かし、来年は静岡県高等学校文化連盟会長賞をいただけるように部員一丸となって頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
静岡県立浜名高等学校
私たちは「春夏秋冬」をテーマに俳句を詠み、季節ごとに書体を変えて季語を書き、作品にしました。また、初めて刻字にも挑戦しました。上手くいかないこともありました。昨年の反省を基に、18人の部員で何度も話し合い工夫をして、作品を完成させました。
今回、高等学校文化連盟書道専門部会長賞を受賞でき、大変嬉しい気持ちでいっぱいです。これからも、さらに上を目指して頑張ります。ありがとうございました。